Octoverse 2018 (2018年10月時点の統計情報) ー GitHubで使われる絵文字

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この記事はGitHubの活動、オープンソースコミュニティの動向、さらにGitHubのデータサイエンスチームによる洞察によって作成された2018年のOctoverse(オクトバース)レポートに基づいたシリーズの一部です。

GitHub上で開発者はテキスト、コード、絵文字など好みのメディアを使って自分自身を表現することができます。GitHubコミュニティがIssueやPull rquestにおいてどのように絵文字で自分自身を表現したり、他の人に対してどのようなリアクションを表現しているかを調べました。 本調査は、2017年10月1日から2018年9月30日までのパブリックおよびプライベートリポジトリを対象としています。

調査方法の詳細については今年のOctoverse(オクトバース)レポートをご覧ください。

絵文字でのリアクション

GitHubはIssueやPull Requestで、よりスムーズなコミュニケーションのため、+1のような絵文字をリリースしました。これら絵文字はどのように使われているのでしょうか?

GitHub上でよく使われている絵文字は、承認やお祝いを象徴しているものであることがわかりました。その多くは👍 や 🎉です。

total reaction

言語別の絵文字利用

by language

主要なプログラミング言語でタグ付けされたプロジェクトを見ると、そのコミュニティーで最も多く使われている絵文字がわかります。 Rubyでは❤が最も多く使われており、C#では他のグループと比べて約2倍の割合で👎が使われています。

地域別の絵文字利用

by geo

プログラミング言語だけでなく、地域によっても絵文字の利用方法に特徴が表れます。地域にかかわらず、同意や「いいね!」という感情を示すために👍が最も多く使われています。一方で、😕や👎のような否定的な絵文字はあまり頻繁に使用されることはなく、このような場合はテキストベースでコミュニケーションが行われていることが推測できます。

日本は他のどの国よりも多くの👍と❤を使っていることがわかりました。また、チェコ共和国の開発者は、お祝いすべきことがたくさんあるようで、🎉を最もよく使う国だということがわかりました。

絵文字が多く使われたプロジェクト

コードの管理において多くの開発者が、悲しみ、笑い、感謝、サポートを表す絵文字をパブリックコメントに付けていました。昨年、絵文字が多く使われたプロジェクトは以下のとおりです:

  • Vuetifyのクリエイターにプロジェクトおよびキャリアのマイルストーンをお祝いしました
  • Modernizing React DOMのプロジェクトに約2,000もの?が付きました
  • CSSで描かれた画像に「素晴らしい!」とコメントするIssueに、多くの?が付きました(しかし、同じ画像がIE7では抽象画のような表示になってしまいました)
  • 新しいライブラリのおかげで開発時間を短縮できるようになったことに感謝しました
  • Refined GitHubにおけるProject Paper Cutsに対してフィードバックを共有しました(フィードバックありがとうございました!)

絵文字による感情表現

5つの絵文字だけでは人間の感情の複雑さを完全に表すことはできません。 👍で感情を表現しきれない場合は、🚀を投稿することがよくあります。過去12ヶ月間で、GitHubコミュニティでは🚀の絵文字だけで、テキストが含まれていないコメントが10,000件以上も作成されました。

オープンソースプロジェクトで使われている絵文字はよく考えられていて、コードレビューやタスクアサインには👀、変更を承認する場合は👌、バグの修正には🔨、良い仕事に対する賞賛には👏が多く使われています。

絵文字を使うことでコミュニケーションのハードルを低くし、遊び心を見せながらも仕事をしっかり成し遂げ、合意したり、多くの愛情❤を表現しています。今後どのような絵文字が出てくるのか、とても楽しみです。

今後も、Octoverse(オクトバース)レポートからわかる興味深いデータを本ブログで紹介します。日本語での簡易レポートはこちらから御覧ください。また、2018年度上位プログラミング言語のデータについてはこちらのブログをご覧ください。