Octoverse 2018 (2018年10月時点の統計情報) ー オープンソースプロジェクト

Image of Thomas Elliott

この記事はGitHubの活動、オープンソースコミュニティの動向、さらにGitHubのデータサイエンスチームによる洞察によって作成された2018年のOctoverse(オクトバース)レポートに基づいたシリーズの一部です。

2018年は過去6年間と比較して新しいユーザーが増え、1億以上のリポジトリが作られました。これらはすべて、オープンソースコミュニティによるものです。多くの開発者がGitHub上で趣味ということだけでなく、仕事として必要になるプロジェクトに取り組み、コーディングの経験レベルにかかわらず共同作業をしてきました。本ブログでは、今年最も活発な活動が行われたオープンソースプロジェクトを紹介します。

これらデータは、2017年12月10日から2018年12月9日の間において、OSSプロジェクトが公開されてから最初の28日間に付けれたスターの数とコントリビューションの数によってランク付けされています。

2018年の上位プロジェクト

2018年に公開された上位OSSプロジェクトは、コーディングを学習するためのものから仕事で利用できるツール、また、趣味で行うようなサイドプロジェクトから仕事において生産性を上げるためのものまで、幅広いプロジェクトが公開されました。

初めてコーディングする初心者や、新しい言語を学ぶためのクイックチュートリアルである、trekhleb/javascript-algorithmsleonardomso/33-js30-seconds/30-seconds-of-codeなどに多くのスターがつきました。

Hacktoberfestにも多くのコントリビューションが集まり、Hacktoberfest-2018/Hello-worldOmkar-Ajnadkar/Hello-Worldに対してさまざまな言語でのHello Worldプログラムが追加されました。その中には、VAR-solutions/Algorithmsのような非常に複雑な言語も含まれました。

また、wangshub/wechat_jump_gameのようなゲームのプロジェクトにも多くのコントリビューションが集まり、kelseyhightower/nocodeのようなプロジェクトでは多くの笑いが巻き起こりました。 felixrieseberg/windows95Microsoft/MS-DOSに対して懐かしさを覚える開発者が多くいたようで、多くのスターやコントリビューションが集まりました

新しく開設されたOSSプロジェクトには、TypeScript開発のためのdenoland/deno、ゲームをLinuxに移植するValveSoftware/Proton、画像認識アルゴリズムの研究をサポートするfacebookresearch/Detectronなどもありました。

多くのスターがついたOSSプロジェクト

以下は、開設されて28日以内に多くのスターが付いたOSSプロジェクトをまとめたグラフです。

Graph1

コントリビューションが多かったOSSプロジェクト

以下は、2017年12月11日から2018年12月10日までのあいだで、開設されて28日以内に多くのコントリビューションがあったOSSプロジェクトをまとめたグラフです。

graph2

上位OSSプロジェクトのトピック

以下のチャートは、2018年に作成されたOSSプロジェクトで、2017年と比べて大きな増加がみられた、プログラミング言語以外のトピックのランキングです。dotnetが3位にランキングしていることで、OSSで多くのWindowsアプリが開発されていることがわかります。Octoverseの「上位プログラミング言語」統計では、JavaScriptは新しいプロジェクトで最も人気のある言語でした。それと関連し、JavaScript開発と関連性が高いnodejsreactvueなどが2018年の上位プロジェクトにランクしています。また、機械学習はGitHubでも人気のあるプロジェクトで、machine-learningのタグが付いた新しいOSSプロジェクトは増加傾向にあります。

  1. nodejs
  2. react
  3. dotnet
  4. docker
  5. android
  6. machine-learning
  7. api
  8. ios
  9. cli
  10. vue

仕事のための開発でも、趣味の一環として新しい技術を試しているだけでも、ビギナーレベルの開発者と経験豊富な開発者が、区別なくOSSコミュニティでコラボレーションをしながら、革新的なプロジェクトに取り組める環境を提供できることを嬉しく思います。今後も、これらコラボレーションを通してソフトウェア開発に対する新しいアイデアが生まれ、ともに学び合える場所を提供していきたいと思います。